B型肝炎給付金訴訟とは?

国の義務であった集団予防接種において、注射器の連続しようがあり、それが原因でB型肝炎ウィルスに持続感染してしまった方(キャリアの方)が、国に対して最大3600万円の給付金を受け取るために起こす裁判のことです。通常の裁判とは少し異なり、資料収集と確認を主たる目的としているため、目的は和解を目指すための裁判になりますが、弁護士費用も国が負担するため、B型肝炎訴訟は弁護士に依頼するのが良いでしょう。

 

B型肝炎の給付金訴訟を弁護士に依頼すべき理由

B型肝炎の給付金訴訟を弁護士に依頼するメリットはいたってシンプルで、「B型肝炎訴訟において給付金の獲得できる確率が大幅に上がる」という1点です。国に対して訴訟を起こし、B型肝炎の給付金を獲得するには、「B型肝炎に感染している証拠」を集める作業がメインになります。

この証拠(給付金訴訟を起こすための必要書類)の収集には、医療機関による定期検査や、自身の生い立ちなどを証明していくための書類(母子手帳など)を揃えるという流れになるのですが、この収集が最も手間と時間がかかり、苦労する作業になります。

弁護士に相談・依頼することでこの手間の全てを任せることができるのは、弁護士に依頼する大きなメリットになるでしょう。また、詳しくは後述しますが、弁護士に依頼することでかかった費用を国が負担してくれるという点も、依頼すべき理由の一つと言えます。

では、実際にどのようなメリットや費用が発生していくのか、まずは、B型肝炎の給付金訴訟を弁護士に依頼すべき理由を改めて確認していきましょう。

給付金訴訟に対する精神的な負担が軽減できる

国に対して訴訟を提起し、和解を成立させるための裁判をB型肝炎給付金訴訟とよんでいますが、裁判ですので訴訟手続が必要になります。国との間で「基本合意書」の取り決めた対象者に合致しているかどうか、確認をしながら進めていくという形式であるため、一般的な判決を争うのではありません。

とは言え、裁判をはじめて経験される方の多くは不慣れな訴状作成や手続き戸惑うことも多く、精神的な負担を多く強いられることになるでしょう。そういった場合に、弁護士があなたの相談を伺いうことで、給付金請求などを総合的に代理するなどのサポートをしていきます。

B型肝炎の感染対象者である証明書類の収集がラクになる

B型肝炎の給付金を得るには、自身が「集団予防接種によってB型肝炎ウィルスに感染した1次感染者である証拠」か「母子感染によってB型肝炎に感染した2次感染者である証拠」このどちらかが必要になります。

集団予防接種で感染した1次感染者 母子感染した2次感染者
  • 生年月日が1941年7月~1988年1月の間満7歳までに予防接種・ツベルクリン反応検査を受けた
  • B型肝炎ウィルスに感染している予防接種等以外の感染原因がない
  • 母親が左記の「集団予防接種で感染した人」の条件を満たしている
  • B型肝炎ウィルスに感染している母子感染以外の感染原因がない

【関連記事】

これらの条件を満たし、なおかつ証明するための客観的な書類を揃えなければ、B型肝炎の給付金は支払われません。B型肝炎訴訟を手がけている弁護士であれば、何が証拠となり、どうやって集めれば良いかも把握していますので、心強い味方になってくれるでしょう。

証拠書類の判定も可能

もしせっかく収集した資料が、国が定める要件を満たしてない場合は無駄足になってしまいます。和解を成立させるには作成した書類に不備がないか厳しいチェックをする必要がありますので、弁護士が集めていればその手間もありません。

B型肝炎の給付金獲得の確実性が増す

B型肝炎訴訟において、上記で説明したような必要書類の収集さえできれば、訴訟にかかる問題はほぼ9割が解決できます、つまり、弁護士に相談・依頼をしてB型肝炎の訴訟手続きがラクに進めば、それだけ給付金獲得の可能性が増すということになります。

表:B型肝炎の給付金額の相場

病態等 金額
死亡・肝がん・肝硬変(重度) 3,600万円
肝硬変(軽度) 2,500万円
慢性B型肝炎 1,250万円
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、現在も慢性肝炎の状態にある方等 300万円
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、現在は治癒している方 150万円
無症候性キャリア 600万円
20年の除斥期間が経過した無症候性キャリア
(特定無症候性持続感染者)
50万円

20年以上の除斥期間があると、和解金がゼロになることはないものの、本来獲得できるはずの金額からはだいぶ減額されますので、行動を起こすならできるだけ早いほうが良いでしょう。
参考:B型肝炎訴訟の和解金(給付金)の額と請求するための全手順

和解までの期間が短くなる

B型肝炎訴訟を起こしてから解決するまでの期間ですが、期間は平均で約1年となっています。ただ、弁護士が介入し、B型肝炎に感染している証拠書類に問題がなければ、訴訟の進行もスムーズになり、早ければ半年ほどで決着するケースもあります。

 

B型肝炎訴訟にかかる弁護士費用の相場

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリットをご紹介してきましたが、弁護士に依頼した場合は費用がかかるという若干のデメリットも存在します。しかし、B型肝炎訴訟においては国が弁護士費用の一部(給付金額に対して4%)を負担してくれます。

弁護士費用の項目と費用の相場

2004年の1月から、旧弁護士費用の規定が撤廃され、弁護士費用は各法律事務所が自由に決めることができるとされていますが、どのような費用がかかるのかについて、確認しておきましょう。

相談料

弁護士に相談する際にかかる費用になります。以前は1時間1万円などが相場でしたが、近年は無料で対応している法律事務所も増えています。B型肝炎訴訟にかかる相談料も、ほとんどの事務所で無料にしているケースが多いです。

B型肝炎ウィルスの感染を確認する調査費用

正式な依頼をする前に、そもそもB型肝炎訴訟を起こして、和解し、給付金をもらえる条件を満たしているのかを調査するための費用です。こちらの費用もほとんどの事務所で無料にしています。もし費用がかかるとしても、検査費用も国が負担してくれる制度がありますので、心配はないでしょう。

【関連記事】

着手金

正式に依頼をしたタイミングで発生する弁護士費用です。こちらも多くの弁護士事務所が無料の対応をしています。

成功報酬

和解が成立し、給付金が獲得できた場合に発生する費用です。相場は4%〜8%ですが、成功報酬は事務所によってまちまちですので各弁護士事務所に確認するのが良いでしょう。安い事務所だと給付金額の2%に設定している場合もあります。
参考:B型肝炎訴訟における弁護士費用について知っておくべきこと

弁護士費用の4%を国が負担

「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」によって、弁護士費用のうち、獲得できた給付金額の4%にあたる部分は国が負担するとされております。

その他の費用

印紙代
病状 印紙代
死亡・肝がん・肝硬変(重度)(発症後20年未満) 13万4,000円
死亡・肝がん・肝硬変(重度)(発症後20年経過) 4万8,000円
肝硬変(軽度)(発症後20年未満) 9万8,000円
肝硬変(軽度)(発症後20年経過) 3万6,000円
肝硬変(軽度)(発症後20年未満) 2万1,000円
慢性B型肝炎(発症後20年未満) 5万9,000円
慢性B型肝炎(発症後20年経過) 2万1,000円
慢性B型肝炎(発症後20年経過・治療経験なし) 1万3,000円
無症候性キャリア(感染後20年未満) 3万6,000円
無症候性キャリア(感染後20年経過) 6,000円
郵券代(切手代)

6,000円前後です。

 

B型肝炎を弁護士に依頼する場合の弁護士事務所の選び方

書類を集めることが主なポイントですので、流れ作業とも言えなくはないのですが、B型肝炎訴訟は慣れている弁護士事務所に依頼しなくてはいけない理由があります。

医療系の専門知識を持っていること

B型肝炎の給付金対象者であることを証明するためにはさまざまな書類が必要になります。その中には、医師の診断書や検査結果などの書類もありますから、過去に遡って予防接種を受けた証拠書類を集めるといった作業必要になります。

弁護士が持っていなくても医師との連携ができること

実際の訴状作成や、その後の裁判をスムーズに進めるために、専門家の知識や実績は重要ですから、弁護士自身が医療の意識に詳しくなくても、専門医との連携ができるかどうかは一つの判断基準になります。

選ぶべき最も大きなポイントは弁護士費用(成功報酬)

B型肝炎訴訟では病状によって得られる給付金の金額が決まっています。つまり、正しい手続きを踏んでさえいれば、結果はどこの弁護士に依頼しても額が変動することはありません。

そのため、弁護士に依頼するために重視したいポイントは、弁護士費用がいかに安くなるかと言えます。もちろん、事務所の近さやB型肝炎訴訟の経験の有無なども検討すべきですが、まずは弁護士費用を判断基準にして良いでしょう。

しかし、国が負担する弁護士費用は4%と決まっているため、実際の弁護士費用との差額は自分がもらえるお金となります。訴訟手続きのための印紙代や郵券代は実費でかかるため、弁護士費用が安くなれば、その実費分の負担も少なくて済みますね。

表:給付金額と弁護費用

給付金額 訴訟等に係る弁護士費用(給付金額の4%) 弁護士事務所が設定する費用
(8%が相場)
3,600万円 144万円 288万円
2,500万円 100万円 200万円
1,250万円 50万円 100万円
300万円 12万円 24万円
150万円 6万円 12万円
600万円 24万円 48万円
50万円 2万円 4万円
900万円 36万円 72万円
600万円 24万円 48万円
300万円 12万円 24万円

 

弁護士に相談してから給付金を獲得するまでの流れ

B型肝炎給訴訟を提訴して、国と和解の手続きをする流れや手順としては、下記のような流れになります。

感染者である事を証明する証拠書類を集める

ますは必要な証拠書類を集めるところから始めます。ただし、訴訟を起こす人の病状によって集めるべき書類が若干異なること、定められた書類が用意出来ない場合は代替書類を用意する必要があることを覚えておきましょう。

B型肝炎訴訟の提訴

B型肝炎の給付金を請求する書類を作成して、裁判所へ資料と一緒に提出することで裁判がスタートします。もし弁護士に依頼していた場合は自ら裁判所に出向く必要はありません。

和解の成立

裁判を通して国との和解を進めていくわけですが、訴訟から和解が成立するまでの期間はおおよそ6ヵ月~1年程度になっています。弁護士が介入すれば、長くても半年程度で終わることが多いでしょう。
参考:B型肝炎訴訟で国と和解するまでの期間と和解金の状況まとめ

給付金を受け取る手続き

裁判で和解が成立すると「和解調書」といった書類が渡されますので、給付金の請求に関する書類と一緒に「社会保険診療報酬支払基金」に提出します。これで初めて国と和解で定められた給付金を受け取る可能です。
参考:B型肝炎の給付金を受け取る為に提出する必要書類について

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。B型肝炎訴訟を弁護士に依頼して、給付金を獲得する場合に必要な知識をご紹介してきましましたが、弁護士選びは意外と重要ですので、確実に給付金を獲得するためにも、弁護士への依頼、選び方は慎重に行いましょう。

もし合わないと思っても、依頼する前であれば相談料などの弁護士費用はかかりませんので、いくつかの弁護士事務所を見て回って、判断されても良いかもしれませんね。